DEME ケーブル敷設船Viking Neptunを取得 【欧州マリコンの雄DEMEとは】

  • DEMEは自社が所有する船団にケーブル敷設戦のViking Neptunが加わたことを発表した。
  • Viking Neptunは合わせて12,500トンのケーブルターンテーブルを積載可能であり、浮体式洋上風力の建設に最適な船だという。

ベルギー発祥のマリコン DEME
DEMEは145年以上の歴史を持つベルギーの海洋土木コントラクターで、正式な社名はDredging, Environmental and Marine Engineering NVであり、手掛ける事業がそのまま社名になるという直球のネーミングです。
その社名が示す通り、DEMEの主要事業セグメントは海洋エネルギー、浚渫・インフラ、環境、コンセッションから構成されており、2021年実績で約25億ユーロ(=3,500億円)の売上高を誇ります。

Source: DEME

ブリュッセル証券取引所に上場し、世界で5,000人以上の従業員と100以上の施工船舶・機材を抱え、ヨーロッパを中心に事業を展開しています。
直近ではスウェーデンの電力会社であるVattenfallが英国で開発するNorfolk Boreas, Vanguardの2海域で海底ケーブル敷設工事を受注しています。

DEMEの保有する船団
欧州の海洋施工コントラクターの大手の一角であるDEMEは浚渫用のサクションホッパー浚渫船や洋上施工船、港湾設備の施工船など100を超える船舶を保有しています。
今回の記事ではDEMEがEidesvikよりケーブル敷設船のViking Neptunを取得することが取り上げられていますが、ケーブル敷設船としてはLiving Stoneを保有しており、このLiving Stoneはアメリカのニューヨーク州沖のEmpire Windプロジェクトでのケーブル敷設に使用される予定です。

Source: DEME

五洋建設との共同出資会社Japan Offshore Marine
欧州の洋上風力コントラクターのDEMEは日本での洋上風力事業への参入に向けて、子会社のDEME offshoreを通じた国内準大手ゼネコンの五洋建設との協業を発表しています。

2021年 [What's new] - 五洋建設
五洋建設オフィシャルサイト。株主・投資家向け情報やソリューション、技術情報などの2016年のニュースのご紹介。

合弁会社であるJapan Offshore Marineを設立して進めるこの協業において、DEMEの所有船であるSea Challenger(900t吊りクレーン)を1,600t吊りに改造の上、日本船籍化することで国内洋上風力事業への投入を予定しているとのことです。

Source: DEME

国内洋上風力のRound1はいずれの海域も鹿島・Van OordのJVが海洋施工を担いますが、現在公募中のRound2のプロジェクトではDEME・五洋による施工が見らえるかもしれません。

以下は筆者による私訳です。
DEMEグループは、Eidesvik社より取得したDP3方式の洋上設置船「Viking Neptun」がオランダのフリッシンゲンの拠点に到着したことを発表した。
DEMEによると、Viking NeptunはDEMEの所有船敷設船Living Stoneと合わせて、同社のケーブル敷設能力を強化する予定です。
DEMEグリーンが特徴のこの船は、デッキ下に4,500トンのケーブルを処理できるターンテーブルを備えており、Living Stoneと同様のケーブル設置システムにより追加でデッキ上に2台目の8,000トンのターンテーブルを搭載可能であると同社は話す。
145メートルのこの船は、平坦な甲板と400トンのAHCナックルブームクレーンが特徴で、浮体式ウィンドファームの建設に理想的な船だという。
昨年初旬に、DEMEはEidesvik社とDP3洋上設置船を取得する契約を締結している。

Eidesvik Offshore completes sale of CSV Viking Neptun
Eidesvik Neptun AS, a subsidiary of Eidesvik Offshore ASA (“Eidesvik” or the “Company”), has today completed the sale of CSV Viking Neptun to Dredging, Environm...

Viking Neptunは、数年前から洋上風力発電の分野で活躍しており、特にドイツのWikingerとMerkurの洋上風力発電所での稼働実績がある。

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