Changfang及びXidao発電所のインターアレイケーブルの敷設が完了【アジア随一の洋上風力先進地 台湾】

All Changfang & Xidao Inter-Array Cables In Place
All inter-array cables have been laid at the 589 MW Changfang and Xidao offshore wind farms in Taiwan, according to Dennis Sanou, CEO of Changfang Xidao Offshor...

アジア随一の洋上風力先進地 台湾

Orstedが開発し、2019年末に稼働を開始したFormosa 1 (128MW)以来、着実に商用案件の洋上風力発電所の建設が進められています。
台湾の洋上風力案件には日本企業も熱視線を送っており、JERAが上述のFormosa 1に加え、Formosa 2 (376MW)にも参画しているほか、双日をはじめとする日系コンソーシアムがYunlin (640MW)に、三井物産がHai Long 2, 3 (合計745MW)に参画しています。
一方で、コロナによる建設工事の遅延や、ウクライナ危機による資材高騰による事業コスト高騰が止まらず、プロジェクト単位での撤退も相次いで発表されています。

以前に本ブログで扱ったJERAのFormosa 3からの撤退のニュース以外にも、Yunlinに出資している日系コンソーシアム各社のプロジェクト出資のための中間持ち株会社であるOrchid Wind Powerの株式100%を双日が引き受けることが発表されており、Yunlinプロジェクトからは双日以外の日系企業が撤退してしまったことが分かります。
https://moneyworld.jp/news/OHH8278_ainews
風況的にはいい風は吹きながらも、事業者やEPCにとっては険しい風が吹く台湾の洋上風力マーケットですが、国策により国営企業が中心となり導入を推し進める中国を除くと、商用案件形成ではアジアで随一の先進地です。

台湾の洋上風力プロジェクト

Source: LEXOLOGY

台湾では実証フェーズの位置づけであるRound 1、固定価格買取と価格入札が混在したフェーズであるRound 2、本格的な商用フェーズであるRound 3という枠組みで事業者選定と海域の割り当てが行われてきました。
今回インターアレイケーブルの敷設が完了したChangfang及びXidao発電所はRound 2に属するプロジェクトであり、固定価格買取制度(FIT)に基づき売電が行われます。
現在はRound 3の入札と事業者選定が進められており、2022年12月にはRound 3のフェーズ1の結果が発表されています。これまでの入札結果は以下の通りです。

公開情報より筆者作成

Round 3の入札価格は、ほとんどが0 NTD/kWhが許容される=全てコーポレートPPAによる売電でプロジェクトを成立させる案件も登場しており、本場ヨーロッパの市場環境に近い状況になっています。2020年に半導体受託生産最大手のTSMCが、Orstedが開発するGreater Changhua発電所から当時世界最大規模の910MWの電力購入を発表しましたが、その後も台湾企業の再エネ需要は高いようです。

日本では昨年末に一般海域における着床式洋上風力の商用案件Round 2の入札が開始し、今年6月に締め切られており、今年の年末から来年初めに結果発表が予定されています。
また、韓国でも大規模な浮体式洋上風力発電プロジェクトの計画が複数発表されており、アジアにおける将来的な洋上風力発電事業のマーケットは着実に拡大しつつあります。(中国は国営企業による開発で世界に先駆けて独走態勢を貫いていますが・・・)

一方で、世界に開かれた市場であり、サプライチェーンの構築が進む台湾がしばらくはアジアの洋上風力マーケットの中心であることは間違いなさそうです。
つい先日、三井物産とNPIによるHailongプロジェクト(約1GW、総事業費9,600億円)の投資決定のニュースも出ていましたので、個別の台湾のプロジェクトを掘り下げる記事も書いてみたいと思います。

以下は筆者による私訳です。

Copenhagen Offshore PartnersのChangfang Xidao Offshore Wind FarmsのCEOであるDennis Sanou氏によると、台湾の589MW Changfang及びXidao発電所で全てのインターアレイケーブル敷設が完了した。
風車内ケーブルと接続される66kVのインターアレイケーブルの敷設は、今年5月に開始され、総延長は約73kmにのぼる。
この工事のため、Seaway7は同社のケーブル敷設船Seaway Phoenixを彰化県沖約15キロメートルに位置する洋上建設現場に投入していた。
本プロジェクトにおけるエクスポートケーブルの敷設は、同じくSeaway7が担当し、6月に完了していた。
Seaway7がTopaz社の敷設船をチャーターし、合計210キロメートルに及ぶ7本のエクスポートケーブルを敷設している。
インターアレイケーブルとエクスポートケーブルは、CRP SubseaのNjordGuardケーブル保護システムで保護される。
Vestas製のV174-9.5MW風車62基のうち31基が3本足ジャケット基礎に設置された。
プロジェクトの2カ所での洋上施工は2021年に始まり、最初の風車は昨年7月に設置されている。
完成すれば、台湾の65万世帯にクリーンなエネルギーを供給できることになる。
Changfang & Xidaoは、コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)が過半数の株式を保有し、地元の生命保険会社である台湾生命保険とトランスグローブ生命保険の2社が出資している。

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